市場は驚く程に変化する。20年前はスズキの軽自動車が高級外車だった


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20年前ビジネスで訪れた知人を空港に迎えに来たインド人は、誇らしげにスズキの軽から降りてきました。

高級外車がスズキの軽だった

インド独立後 政府が国家統制型の産業政策をする中で、外資の自動車業界への規制が厳しくなり1954年に全ての外資自動車産業がインドから撤退をしました。

そのインドの自動車産業の方向を大きく変えるきっかけになったのが、1982年から始業した、スズキとインド政府との合弁会社です。

つまり1982年時点では、スズキ以外の外資自動車メーカーは存在をしなかったのです。

それから十数年、90年半ばになるまで、スズキ以外の外車をインド国内で見ることなど、ほぼ皆無に近かったのです。

ですから90年前半にインドをビジネスで訪れた日本人を迎えに来たインドの資産家は、その時の高級車であるスズキの軽で空港に乗り付け、蝶ネクタイにスーツ姿の運転手にドアを開けてもらい自慢気に降り立ったそうです。

その後、産業ライセンス制度が撤廃され、90年半ばに外資自動車メーカーが参入するまでの間、インドの自動車市場は、スズキの独壇場になりました。

そして現在スズキは、インドで知らない人など居ない、国内で一番の販売台数を誇る会社になりました。

現在では、高級外車がたくさん売られるようになったインドですが、今でも、スズキで働いていることはステータスになるようで、私にインドの旅先で声をかけてきた男性は「俺はマルチ・スズキで働いているんだぜ」と自慢げに話していました。

日本と、インドではスズキの評価が全く違うように感じます。

つい何年か前までは首都デリーにだって沢山牛がいた

5年ほど前までは、首都のデリーですら、道路に沢山の牛が道路を自由に歩いていましたが、現在首都のデリーには牛が居ません。

インド人に「あれ、いつから牛が居なくなったの?」と聞くと「15年前から道路に牛など居なかった」とすっとぼけた回答が返ってくるほどデリーの道路には、牛がいません。

もちろんデリーから30分も車で走れば、現在でも牛や豚が沢山道路を歩いていてそれが原因で渋滞になったりしますが。。。それもあと5年後にはどうなっているか分かりません。

道路だって、つい4~5年前までは、デリーから30分も走れば殆ど舗装されていないし、自動車もほとんど走っていませんでした。知人が3年前にインド出張に来た時は砂利道で外灯も信号も無かった場所が、現在では綺麗に舗装され毎日沢山の車が走っています。

また、インド人の知人は小学生の頃は自分のお家の近くを走る車など本当に少なくて、自動車は珍しかったそうですが、現在のインドは自動車が多すぎて毎日の交通渋滞が大変な問題になっています。知人は、小さい時にはこのような渋滞で悩むことなど想像も出来なかったと言います。

その場所で生活する人達が想像出来ない、その場所を見たことのある人が数年後にその場所を訪れた時にびっくりするほど、インドの市場環境は、急激に変わっています。

これは、インドだけでなく全ての新興市場に当てはまる事です。あらゆる新興国が日本の昭和初期のような状態です。ここ10年の間に様々な場所で市場が大きく変わるでしょう。

今この時にこそチャンスがそこかしこで転がっています。新興国で働く、生活する、起業をすることでチャンスを掴む確率が高くなります。

ここでどう行動するかで将来が変わってくるでしょう。

旅行でもビジネスでもインドに行くなら、英語は必須!

インドの公用語は、ヒンディー語と英語。そのため、旅行でもビジネスでも、インド人と円滑なコミュニケーションを取るためには最低限の英語はなくてはならないものです。

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