「変な人」募集!!総務省が仕掛ける「異能vation」は、総務省担当者も「変な人」
総務省が行う、情報通信(ITC)分野で独創的な才能やアイデアを持つ人材を発掘、育成する助成事業「異能ベーション(通称・変な人)」の東京説明会に参加してきました。
東京説明会の会場は、ほぼ満席
募集当日の内に満席になり、急遽午後の部も開催されることになったほど、今、注目の「異能vation」の説明会ですが、平日の午前10時半という時間にも関わらず、当日キャンセルもそこまで多くないようで、会場はほぼ満席でした。
ざっと数えたところ、参加者総数は、85名前後、そのうちの7割くらいが40代後半から70代のおじさまたち。
30代風人は、10名ほどだし、女性は全体で8名くらい。その上、女性は、なんだかNPOにいるフェミニストな感じの女性で何となくITCとは疎遠なところにいるような雰囲気を醸し出している人が殆どでした。
個人的な感想としては、ITC技術という括りでの「変な人」募集だったので、もっとスタートアップ系の人がいるかと思って参加をしたのですが、そんな雰囲気を出している人は、片手で数える程しかいませんでした。
その代わり、説明会前方には白髪な方や髪の薄くなったご年配の方がとっても多かったのですが、それが通常のセミナーやミートアップと違う国が掲げたプロジェクトならではなのだろうなと感じさせる雰囲気でした。
総務省がなぜこの「異能vation」企画を立ち上げたか
発起人は、「総務省 情報通信国際戦力局 技術政策課 統括補佐 高村 信 氏」
高村氏は、日本から新しいサービスが生まれない理由の一つに、閉塞感と失敗が許されない風土が関係していると考えたようです。
失敗が許されない風土という話の中に、Twitterの話が出てきました。高村氏曰く、実はある大手企業には「Twitter」がリリースされる 5年前にはそれと全く同じような仕組みがあったそうです。
高村氏が、なぜそのサービスをリリースしなかったのか尋ねると「今までにないものだから問題が起きるリスクを考えて外には出せなかった」との回答があったそうです。
それを聞いた時、政府がリスクを恐れて新しい事を出来ないのと同じように、もしかしたらそれ以上に「大企業はリスクを恐れて新しいことをしない」と感じたそうです。
現時点での企業では、やれることの限界がある
国も、企業もリスクを恐れて行動をしないのなら、今の閉塞感はずっと変わらない。変えるためには自らが変わらなくてはと考えた総務省は、まず自らがリスクを取るという企画を考えついたそうです。
総務省が自らリスクを恐れず新しいことに挑戦していけば、のちには企業もついてくるだろうと。相手を変えるためにはまず自分からと考えたようです。
国が自ら動き、種に水をあげて、目が出たならばそこから先は企業が続けてくれるだろうと。
説明会の高村氏の話から、今のままではいけない「日本は、変わらなくてはいけない。」と本気で考えているように見えました。
私のイメージしていた、頭の硬い、融通が全く効かないという公務員のイメージを変えるような人でした。
どんな「変な人」が応募を出来るの??
最低限の公的な縛りはこれだけ
・義務教育修了者(平成26年8月20日時点) ・日本国籍を保有する方、日本への永住を許可されている外国の方
実際に「変な人」とはどんな人かというと ↓
日々新しい技術や発想が誕生している世界的に予想のつかないICT(情報通信技術)分野において、破壊的な地球規模の価値創造を生み出すために、大いなる可能性があり、奇想天外でアンビシャスな技術課題に挑戦する個人。ゴールへの道筋が明確になる価値ある失敗に挑戦することを恐れない者。
はい。さっぱり分かりません。なぜこうもというほど分かりづらい表現です。
例として上がった人物は、まつもとゆきひろ氏、金子勇氏などでした。
常識にとらわれない独創的で、リスクを恐れず新しい事にチャレンジできる個人ということ以外は敢えて制限を作らず門戸を広くすることにより 様々な「変な人」を集めたいと考えたようです。
サポート内容はどんな?
異能vationには資金面と体制面の双方で研究支援が用意されています。
■資金面
300万円を上限として、支給がされます。ただこの金額は研究内容に
よっても変わってきます。
また、支給方法は現金だけとも限定されておらず、研究に必要な機器の 貸与など現物支給の場合もあるとのことでした。
■体制面
事務局とスーパーバイザーと呼ばれる専門家による支援を受けることができます。 事務局は、経費管理のような事務管理を代行してくれます。
スーパーバイザーは、求めに応じて研究への助言、評価をしてくれます。自分から質問をない限り研究に口を出すこともなく「変な人」の求めに応じてサポートをしてくれます。
ちなみにスーパーバイザーは、下記のそうそうたる人達です。
■ 伊藤 穣一(MITメディアラボ 所長)
■ 上田 学 (エンジニア)
■川西 哲也 独立行政法人 情報通信研究機構
■高橋 智隆 株式会社ロボ・ガレージ
■西川 徹 人工知能の専門家
■原田 博司 インフラ・無線機能の専門家 無線通信方式、無線通信システム
■外村 仁 エバーノートジャパン会長
■牧野 友衛 Twitter japan株式会社
■まつもと ゆきひろ Rubyアソシエーション 理事長
それ以外でも、選ばれた「変な人」に必要な分野のスーパーバイザーが居なければ必要なスペシャリストを、探してきてくれるとのことです。
応募方法
応募期間は平成26年7月14日(月)~平成26年8月20日(水)18:00まで。 応募を行うためには異能vationのサイト上にから応募することができます。必要があれば、研究コンセプトを記載した書類や試作品なども提出することができます。
9月中旬 1次選考通過者へ合格通知、その後、アドバイスを受けながら選考に必要な資料を作成。この時に必要な費用や、アドバイスはこの異能vationのプロジェクトチームがサポートをしてくれるそうです。
その後、12月末までに 2次選考通過者へ合格通知がされます。
最終的な合格者はたったの「10名」ですが、アイデアは協賛企業にもシェアされるため企業から資金調達をする可能性も高そうです。
その後、2015年1月に研究内容の発表をお行い、その後1年間、お金やアドバイス、事務手続きなどのサポートを受けながら研究開発に従事します。
最後に
申請後もどんどん、内容が変わっていく制度のように感じられました。今まではありえなかった協賛企業を募るというやり方や、広くアドバイザーを募る方法など、今までに国が行ってこなかった試みをしているようです。
新しいことをどんどん進めているため、予測が不十分でこれからも変わっていくでしょう。
高村氏の話では、今考えられるものは準備をしたが完璧な対応ではない、進めて行く中で準備をしているもの以外でも必要な物が出てくるだろう。その時は柔軟に対応をするとのことでした。
そして、どうしても変えなくてはいけないルールは、変えていくそうです。
「民間の企業と、私達が一番違うのはルール(法律)を変えられること、本当に必要であれば、私達はルールを変える準備がある」
走りながら考える、問題が出ればその時解決すれば良い。最低限のリスクは抑えつつも、果敢に行動する高村氏が一番「変な人」だと感じる説明会でした。
旅行でもビジネスでもインドに行くなら、英語は必須!
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