「3度目の独立」を果たし、大きく変化するインドから目が離せない


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ナレドラ・モディ氏率いるインド人民党(BJP)主導の野党連合が第16回下院議員選挙に圧倒的勝利を収め、インドが今、大きく変わろうとしています。

3度目の独立とは

インドは、1,947年に東インド会社を始めとした英国支配から独立を果たしました。これを1回めの独立として、2回目の独立は、規制だらけの制度から自由になった1991年の経済自由化。この独立によって外資参入が始まり、インドの経済が大きく動き出しました。

そして2014年5月、ナレドラ・モディ氏率いるインド人民党(BJP)主導の野党連合が第16回下院議員選挙に圧倒的勝利を収めました。これが3度目の独立といえます。

政治に興味を持つ人達が多くなり、若者も選挙に参加するようになりました。より経済発展をすることを国民が望んだことにより、政府が変わり、インドが今、大きく変わろうとしています。

1億5000万人が初めて選挙に参加

日本の総人口以上の人達が、今回の選挙で初めて投票を行いました。沢山の人達が関心をもち選挙に参加した結果は、モディ氏が率いるBJPの大勝利でした。

今回の選挙でBJPが獲得をした議席数は、543議席のうち282議席まさに全議席の52%となり、一つの党が過半数の議席を獲得したのは、国民会議派以外ではインド国会始まって以来のことで、この勝利は歴史的な出来事でした。

今回の結果に大きく影響を及ぼしたのが、18歳から23歳の若者です。彼らは今回の選挙で初めて選挙権を行使しました。その数が1億5000万人です。

彼らは多くの希望を抱き、貧困やさまざまな問題をインドから一掃したいと考える新しい世代であり、今までインドの経済の中心にいた人達とは違う価値観を持っています。

今のインドは、カースト制度も色濃く残っていますし、地域によって様々な問題がたくさんあります。彼らは、カーストや地域による問題や宗教主導の政治には関心を払わず、強力なリーダーシップと決断力で機能不全に陥ったインドの政治と低迷する経済を立て直し、汚職を撲滅して雇用を生み出すリーダーを求めていました。

モディ氏は、チャイ屋の子供から現在の地位まで上り詰める実力を持つ共に、汚職などに手を染めず、実家も未だにチャイ屋を経営しているという 今までの政治家のイメージとはかけ離れた人です。

政治の問題は、経済の問題になります。政治が変わって制度が変わればもちろん経済にも影響を及ぼします。モディ首相は「問題を解決すれば、インドは2ケタの経済成長を実現できる」と明言しており多くの国民が新政権に期待をしています。

なぜモディ氏はインドを変えることが出来ると若者達は信じたのか

モディ氏が率いるBJPは選挙中2つのスローガンを掲げて来ました。経済成長が停滞し、インフレが進み続ける事に危機感を持っていた国民はこのスローガンに心を動かされました。

選挙期間中、国民の多くは「エーク・バーラト、シュレスタ・バーラト(インドをひとつに、インドを強力に)」と「サブカ・サート、サブカ・ヴィカス(みなの発展のために団結しよう)」というスローガンに心を動かされました。インドの再生にあたっては、汚職や発展を妨げるものを許さないというのが、新政府のモットー。もし、発展を目指しつつ、団結してより強くなれれば、インドは再び黄金時代を迎えることができると、多くの人が考え始めています。

もちろん実際にモディ氏が州知事を務めた、グジャラート州が2桁台の成長を続けた事も大きいでしょう。カーストの最下位層に近い生まれから、持ち前の能力の高さと努力で現在の地位まで上り詰めたことも国民の心を動かした一つです。

古き、悪しき習慣をこの人ならば変えることが出来ると、モディ氏の生い立ちとBJPのスローガンで国民にアピールすることによって信頼をえました。

モディ首相の支持者は、「彼の情熱が人々を動かしている」と言います。彼が考えるインドの発展の絵図が明確で、その核心は「5T(Talent=人材、Tradition=伝統、Tourism=ツーリズム、Trade=貿易、Technology=技術)に焦点を当てることでインドのブランドを構築する」というビジョンです。

インドは、今後どの様に変わっていくのか

インド政治の大きな問題の一つは、大きな力を持っている地方政党です。地方政党は1000以上も存在している上に様々なことに決定権を持っているため、国としてまとまらず、それが政治的な問題を引き起こすこともよくありました。しかし、今では単独の全国政党が下院で過半数を獲得したため、政策決定や司法・裁判、州間の通商といった懸案事項が一気に動き出す可能性があります。

モディ首相は選挙で、経済を再生するために電力、道路、鉄道などのインフラへの投資を加速すると公約しました。

外国企業が参入する上で、インフラに問題があるということは大きな障害になります。インド国内の事業を活性化させるためには国内の企業を育てることももちろん大切ですが、外貨をインド国内に持込、多くの国民の雇用機会を創出してくれる外資の参入は、インドの経済成長にとって必要不可欠です。

送水網、光ファイバー網、新幹線といったインフラ計画はインドが最も必要とする近代化計画です。それ以外にも、インド国内100カ所にスマートシティを作る、インド工科大学(IITs)、インド経営大学院(IIMs)、全インド医科大学(AIIMS)をインド28州すべてに作り、すべての国民がよい教育を受けられるようにする、という計画もあります。

インフラにお金をかけるにしても、前政権から厳しい財政状態が続いているため、モディ氏は財政再建と経済成長の両方を同時に進めていく必要があります。

簡単ではない問題ばかり山積みですが、今までにない新しい指導者が、どの様にインドを変えて行くかが楽しみです。

参照記事:日本企業にも好機! インドの地殻が動いた

旅行でもビジネスでもインドに行くなら、英語は必須!

インドの公用語は、ヒンディー語と英語。そのため、旅行でもビジネスでも、インド人と円滑なコミュニケーションを取るためには最低限の英語はなくてはならないものです。

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